ブログについて

映画やTVドラマなどを観ていて、その中で流れてくる音楽、撮影に使われた建築やセットのデザイン、舞台の背景となるインテリア、登場人物が手にしているガジェットやプロダクトなどが気になったことはありませんか?
このブログでは、映画やTVドラマの中に登場するさまざまなものを調べて紹介していきます。そうしたものにも目を向けてみると、映画やTVドラマが今まで以上に楽しくなるはずです。映画、TVドラマ、音楽、建築、インテリアのどれかに興味がある方に、また自分と同じようにそのどれもが寝ても覚めても好きでたまらないという方に、面白いと思ってくれるような記事を発見してもらえたらという思いで書いています。


※ご質問は伊泉龍一 公式サイトよりお願いします。伊泉龍一公式サイトはこちら

執筆者:伊泉龍一(いずみりゅういち)

ブログ以外には、以下のような書籍の翻訳をしたり、本を書いたりもしています。

『至福を追い求めて ―60年代のスピリチュアルな理想が 現代の私たちの生き方をいかに形作っているか』

ドン・ラティン著 伊泉 龍一訳
『至福を追い求めて ―60年代のスピリチュアルな理想が 現代の私たちの生き方をいかに形作っているか』


60sカウンターカルチャー ~セックス・ドラッグ・ロックンロール
ロバート・C・コトレル 著 伊泉 龍一 訳
『60sカウンターカルチャー ~セックス・ドラッグ・ロックンロール』


ドン・ラティン 著
『ハーバード・サイケデリック・クラブ ―ティモシー・リアリー、ラム・ダス、ヒューストン・スミス、アンドルー・ワイルは、いかにして50年代に終止符を打ち、新たな時代を先導したのか?』



デヴィッド・ヘップワース 著
『アンコモン・ピープル ―「ロック・スター」の誕生から終焉まで』



サラ・バートレット 著
『アイコニック・タロット イタリア・ルネサンスの寓意画から現代のタロット・アートの世界まで』



ジェイソン・ヘラー 著
『ストレンジ・スターズ ―デヴィッド・ボウイ、ポップ・ミュージック、そしてSFが激発した十年』



ピーター・ビーバガル 著
『シーズン・オブ・ザ・ウィッチ -いかにしてオカルトはロックンロールを救ったのか』

ジョン・ロートナー設計のシーツ・ゴールドステイン・レジデンスとファッション広告:マンゴとスカーレット・ヨハンソン。エディ・スリマンとダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」

ファッション  映画  インテリア  建築  音楽  ミュージック・ビデオ  コマーシャル映像   / 2022.12.27

 ここ数回、映画やミュージック・ビデオの中で、アメリカの建築家ジョン・ロートナー(John Lautner)設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンス(Sheats–Goldstein Residence)が映っている場面を見てきました。

 以前に述べたように、シーツ=ゴールドスティン・レジデンスのオーナーのジェームス・ゴールドステイン(James F.Goldste)は、建築へのこだわりだけでなく、ファッションへの並々ならぬ愛を持っていることでも有名です。

 ということから、今回はシーツ・ゴールドステイン・レジデンスがファッション関連で撮影に使われたショットを少し見てみたいと思います。

 まずは以下の写真をご覧ください。映っているのは、女優のスカーレット・ヨハンソン(Scarlett Johansson)です。以下の2枚の写真は、ZIMBIOの中の記事‘Scarlett’s Johansson’s MANGO shoot in Beverley Hills’から引用しました。

ジョン・ロートナー設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンスで行われえたファッション・ブランド、マンゴの撮影でのスカーレット・ヨハンセン

 前回の記事を読んでくださっている方なら、一目でお分かりいただけるのではないかと思いますが、この角度からのシーツ=ゴールドステイン・レジデンスの外観は、グッチのフレグランス、「プルミエール(Première)」のコマーシャルでも使われていました。

 このスカーレット・ヨハンソンがポーズを決めているショットは、スペインの女性向けファッション・ブランドのマンゴ(MANGO)の撮影のためです。

 前回のグッチの方は、いわゆるハイブランドのフレグランスのイメージにふさわしく、グラマラスでプレミアムな感じを出すために、夜の時間帯でロサンゼルスの街がきらきらと輝く光景になっていました。ですが、こちらのマンゴでは明るい昼に撮影されています。確かに、このマンゴのカジュアルなワンピースの場合であれば、やはり昼の光で木々の緑が見える方が合っていますね。

 もう一つ今度は室内のショットをどうぞ。

ジョン・ロートナー設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンスで行われえたファッション・ブランド、マンゴの撮影でのスカーレット・ヨハンセン

 ここはダイニング・ルームですね。映っているレザーとスチールのチェアは、既製品ではなく、この家のためにカスタム・デザインされたチェアです。以下がダイニング・ルームの写真です。DIGSの中のJenn Thornton氏の記事‘A Tale of Two Estates’から引用しました。

ジョン・ロートナー設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンスのキッチン

 天井の木材が屋外の緑樹と調和していますね。ですが、ここでチェアとテーブルも木材のものを選んで置いてしまうと、全体にナチュラル感が強まり過ぎるインテリアとなってしまうところに、先ほどのレザーとスチールのチェアが配置されているわけです。

 しかもご覧の通り、テーブルはガラスとコンクリート(これも既製品ではなくカスタム・デザインされたテーブルです)、そして窓の縦に走っているフレームも金属。この人工的な素材と内外の調和を生み出す天井の木材の組み合わせによって、ナチュラル感がありながらも、モダンな雰囲気を失わないダイニング・ルームになっていますよね。

 さて、今回はもう一つ別のファッション関連のショットも用意しました。以下をご覧ください。Yellowtraceの中のDANA TOMIĆ HUGHES氏の記事‘DAFT PUNK AT LAUTNER’S SHEATS GOLDSTEIN RESIDENCE IN LA.’から引用しました。

ジョン・ロートナー設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンスのベッド・ルームで撮影されたダフト・パンクのメンバー

 近未来を舞台にしたSF映画をも思わせる非現実的な世界を見ているような気分にさせる不思議な魅力のあるショットですね。モノクロームであることが、よりいっそうの異次元的な雰囲気を強めいているようにも思われます。

 撮影場所は、シーツ=ゴールドステイン・レジデンスのベッド・ルームです。前回の記事で書いたように、この場所はスヌープ・ドッグ(Snoop Dogg)の「レッツ・ゲット・ブロウン(Let’s Get Blown)」のミュージック・ビデオでも使われていました。ですが、ご覧になった方なら分かると思いますが、確かに同じ部屋であるとはいえ、そのときとは伝わってくる空気感がまるで違ってますね。

 二人の男がスーツを着てヘルメットを被って向かい合って立ち尽くしているという不可解な光景と、もともとこの部屋のためにデザインされて設置されているベッドとサイドテーブルの角張った形状が相まって、奇妙な近未来感を増幅させています。

 で、この写真の二人ですが、一目で分かった方も多いと思いますが、フランスのエレクトロニック・ミュージックのデュオ、ダフト・パンク(Daft Punk)のメンバーであるギ=マニュエル・ド・オメン=クリスト(Guy-Manuel de Homem-Christo)とトーマ・バンガルテル(Thomas Bangalter)です。

 よりはっきりとした姿が見える別のショットもご覧ください。

ジョン・ロートナー設計のシーツ=ゴールドステイン・レジデンスで撮影されたダフト・パンクのメンバー

 こちらの写真もやはりシーツ=ゴールドスティン・レジデンスの中で撮影されています。

 もしかしたらダフト・パンクをご存じのない方もいるかもしれないので、念のために言うと、ロボット的なヘルメットと手袋は、彼らのいつも通りの衣装であり、なんら驚くべきものではありません。ここで注目すべきは、それ以外の服の方です。

 そもそも、これらの写真は、ファッション・ブランドのサンローランの2013年の「サンローラン・ミュージック・プロジェクト(SAINT LAURENT MUSIC PROJECT)」という広告キャンペーンのために撮影されました。で、ダフト・パンクの二人が着ているきらびやかでアンドロジナスなスーツをデザインしたのは、2012年から2016年までサンローランのクリエイティブ・ディレクターを務めていたフランス出身のファッション・デザイナーのエディ・スリマン(Hedi Slimane)です。

 エディ・スリマンのことは、それほどファッションに関心がなかったとしても、ロック・ミュージックが好きな人たちの間では認知度がかなり高いかと思われます。その理由の一つは、スリマンがファッション・デザイナーとしてだけでなく、写真家としても活躍していて、数多くのミュージシャンやアーティストたちの姿をカメラに収めているからです。

 例えば、2005年に出版されたスリマンが撮影した写真集『ロンドン・バース・オブ・ア・カルト(London Birth of a Cult)』は、2000年代初頭のロンドンのインディー・ロックが好きだった方だったら、現にお持ちの方もいらっしゃるでしょう。これは当時、ザ・リバティーンズ(The Libertines)を離れた後のピート・ドハーティ(Peter Doherty)(2022年末の現在はベイビー・シャンプルズ(Babyshambles)のシンガー)の日常を、スリマンが撮影した写真集です。

 そういえば、先ほど言うのを忘れていまいたが、前掲のダフト・パンクの写真もエディ・スリマン本人が撮影しています。

 スリマンの写真に興味がある方は、2006年5月に本人が開設した写真ブログ‘Hedi Slimane Diary’をご覧ください。日々更新されるスリマン自身が撮影した写真を見ることができます。きっとロック好きの人だったら、引き延ばしてポスターにして部屋を飾りたくなるような鮮やかなモノクーロムのクールな数々の写真に目が釘付けとなることでしょう。

 スリマンのポスターと言えば、2022年1月4日にニューヨークとロサンゼルスで先行上映されて、11月8日に全米公開されたウィル・ラブレス(Will Lovelace)とディラン・サザン(Dylan Southern)監督の映画『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム(Meet Me in the Bathroom)』に合わせて製作された限定版ポスターがあります。以下をご覧ください。V MAGAZINEの中のNICHOLSON BAIRD氏の記事‘HEDI SLIMANE CREATES POSTER FOR EARLY AUGHTS ROCK DOCUMENTARY, MEET ME IN THE BATHROOM’から引用しました

エディ・スリマンによって製作された映画『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム』の限定版ポスター

 ニューヨークのインディー・ロック好きの方だったら、このモノクロームのポスターは絶対に好みのはずで、部屋に飾りたくなるんじゃないでしょうか?  コンクリートなどの無機質な壁、ないしはグレーで荒っぽく塗られた壁に貼りつけて、さらにエディ・スリマンのデザインしたディオール・オムないしはサンローランのレザーのライダース・ジャケットを近くに置いておけば、分かりやすくパンクを主張した部屋になりますね。

 ところで、この『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム』、個人的にもすごく観たくてたまらない映画です。内容はと言うと、2000年代初頭のローワー・イーストサイドを舞台に、ザ・ストロークス(The Strokes)、ヤー・ヤー・ヤーズ(Yeah Yeah Yeahs)、LCDサウンドシステム(LCD Soundsystem)、インターポール(Interpol)、ザ・ラプチャー(The Rapture)、モールディ・ピーチズ(The Moldy Peaches)、TV・オン・ザ・レディオ(TV on the radio)といったバンドが台頭してきた当時のニューヨーク・ロックの復興のムーヴメントを描いたドキュメンタリー映画なのです。そもそも映画の題名の「ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム」自体が、ザ・ストロークスの2003年のアルバム『ルーム・オン・ファイア(Room on Fire)』の中の曲名ですね。

 この頃のニューヨークのインディ・バンドを聴いていた方だったら絶対に観たいですよね? ですが、これを書いている2022年12月27日の現時点では、残念ながら日本での公開は未定です。以下で『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム』のトレイラーをどうぞ。

映画『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム』のトレイラー

 なぜ日本で未公開なのか!? ザ・ストロークスのファンの方だったら、そう強く思いませんか? 気のせいかもしれませんが、個人的に興味を引かれる映画が、日本未公開のままのことが昔より多くなったと感じてしまう今日この頃です。

 さらに言うと、実はこの映画、作家で音楽ジャーナリストのリジー・グッドマンの2017年に出版されたオーラル・ヒストリー『ミート・ミー・イン・ザ・バスルーム(Meet Me in the Bathroom)』をもとにしています。この本も今のところ日本では未訳ですが、以下で原著の表紙をご覧ください。

 この本、発売前から楽しみで、事前に予約して買ってしまったぐらいです。この時代のムーヴメントの状況が当事者の声とともにリアルに伝わってくるので、好きな方にはたまらない内容だと思います。

 ついでに私事を言わせてもらうと、私自身の普段の仕事の一つが書籍の翻訳です。で、これまでもポピュラー・ミュージックに関する本の翻訳をやっています。ですので、機会を得られれば、この本を自分で訳して日本語版を出版できれば、なんて考えも頭をよぎらないわけでもないですが、なにせ原著が640ページもあり、なかなか大変なことになるので、手をつけるには覚悟がいります。

 エディ・スリマンの話に戻って、もう少しだけ続けます。スリマンのファッションとロックとのつながりは、2000年代のインディー・ロックとの関連から始まったことではありません。10代の頃から70年代のロックのファッションから強く影響を受けたそうで、AnOtherの中のDean Mayo Davies氏の記事‘Hedi Slimane’でのメール・インタヴューでは、「私はデヴィッド・ボウイのアルバムを文字通り手に持って誕生した」とも述べています。

 また、スリマンはスキニーなシルエットのファッションを流行させたことでも知られていますが、それも子供時代を過ごした70年代のロック・ミュージシャンたちからの影響のようです。

 2015年の8月のyahoo!lifeの中の‘Exclusive: Hedi Slimane On Saint Laurent’s Rebirth, His Relationship With Yves & the Importance of Music’というインタヴュー記事の中でスリマン本人が述べているところによると、10代後半に痩せていて運動向きではなかった自分の体型を、高校や家族の人たちからけなされたこともあった(ときには差別的に「同性愛者」とあてこすられることもあった)けれども、「自分の音楽のヒーローたち」の方を向くことが慰めとなり、「バギーな服で自分を隠す」ことはせず、彼らのようになろうとしたとのこと。

 スリマンは次のようにも述べています。

 「デヴィッド・ボウイ、キース・リチャーズ、ミック・ジャガー、ミック・ジョーンズ、ポール・ウェラー、私は彼らの魅力、美学、スタイルとつながっているのだと感じたのです」。

 ファッション・デザイナーになってからのスリマンは、自身がデザインするファッションにロックの美学を浸透させていくだけでなく、その広告やキャットウォークにもミュージシャンやアーティストを起用することも多く、またショーの音楽にもロックを使っています。一例として以下をご覧ください。

レイザー・ライトの「イン・ザ・モーニング」が流れる2005年秋・冬のディオール・オムのランウェイ・ショー

 これは2005年秋・冬のディオール・オムのランウェイ・ショーですが、使われている曲はロンドンのインディー・ロック・バンド、レイザーライト(Razorlight)の「イン・ザ・モーニング(In the Morning)」です。この曲は彼らの2006年のアルバム『レイザーライト(Razorlight)』の最初の曲にもなっています。 

 そろそろエディ・スリマンの話から離れないと、今回の記事が延々と続いてしまいそうなので、ひとまずこの辺で終わりにします。

 代わりに、調べていて見つけた「なるほど!」とうなずきたくなる、とても参考になるスリマンのファッションと音楽についての日本語の記事を紹介しておきます。TOKIONの中のつやちゃん氏の記事「エディ・スリマンの「ディオールオム」を再考する/連載「痙攣としてのストリートミュージック、そしてファッション」第9回」です。ご興味のある方は、ぜひともお読みください。

 ダフト・パンクの話に戻ります。まずは以下の動画をご覧ください。こちらはダフト・パンクの大ヒット曲「ゲット・ラッキー(Get Lucky)」のミュージック・ビデオですが、ここでもエディ・スリマンのデザインしたきらめくスーツを着ているのが見られます。

ダフト・パンクの「ゲット・ラッキー」のミュージック・ビデオ

 ご覧のように、この曲にはダフト・パンクの二人だけでなく、ゲストが二人参加しています。まず歌っているシンガーは、この当時アニメーション映画『怪盗グルーのミニオン危機一発(Despicable Me 2)』のサウンドトラックからのシングル「ハッピー(Happy)」も大ヒットさせ、超売れっ子となっていたファレル・ウィリアムス(Pharrell Williams)です。

 ここで、まったくの偶然で前回の話とつながりました。そう、前回言及したシーツ=ゴールドステイン・レジデンスで撮影したミュージック・ビデオ、スヌープ・ドッグの「レッツ・ゲット・ブロウン」でも、若き日のファレル・ウィリアムスがフィーチャリングされていました。

 2013年のダフト・パンクのアルバム『ランダム・アクセス・メモリーズ(Random Access Memories)』からのリード・シングルとしてリリースされた「ゲット・ラッキー」は、当時相当売れていました。実際に調べてみると、アメリカではビルボードホット100で5週連続2位、UKシングル・チャートでは4週連続首位を獲得しています。

 「ゲット・ラッキー」のミュージック・ビデオの方に話を戻すと、ギターをファンキーにチャックして、爽快なダンス・ミュージックに仕上げくれているもう一人のゲストは、ナイル・ロジャース(Nile Rodgers)です。エディ・スリマンのデザインしたきらめく衣装に加えて、シック(Chic)をやっていた頃から変わっていないナイル・ロジャースの軽快なリズム・ギターが70年代後半のディスコやファンクを彷彿させるせいか、初めて聴いたときから、どこかで聴いたことがあるような懐かしさすら感じさせる曲になっています。 

 ところで、前回シーツ=ゴールドステイン・レジデンスで撮影されたグッチのフレグランス、「プルミエール」のコマーシャル映像で流れていた音楽ということで、フランスのエレクトリック・ミュージックのデュオ、M83に触れました。そして、M83 が2013年の映画『オブリビオン』のサウンドトラックを製作していることから、その監督ジョセフ・コジンスキー(Joseph Kosinski)監督の名前を出しましたが、これまた偶然にもですが、今回のダフト・パンクとつながります。というのも、ジョセフ・コシンスキーは、ダフト・パンクがサウンドトラックを担当した2010年の映画『トロン:レガシー(Tron: Legacy)』を監督しています。

 しかもしつこく偶然のつながりを言うと、これまたこのブログの少し前の記事でシーツ=ゴールドステイン・レジデンスを撮影場所の一つに使った1998年の映画『ビッグ・リボウスキ(The Big Lebowski)』について書きましたが、その映画の主役を演じていたジェフ・ブリッジス(Jeff Bridges)が、『トロン:レガシー』でも重要な役を演じています。

 『トロン:レガシー』をご覧になったことがないという方は、以下のトレイラーをご覧ください。

映画『トロン:レガシー』のトレイラー

 SF映画好きの人からすると、本編への期待感をマックスにまで高めてくれる映像満載のトレイラーですよね。しかも途中から流れてくるダフト・パンクの曲「ディレーズド(Derezzed)」から発せられる全身を感電させるかのような電子音。脳神経を発火させ、瞳孔を開きっぱなしにさせるかのごとく、ぞくぞくさせてくれます。当時、映画公開前に、このトレイラーを観たとき、私も並々ならぬ期待を持たされたものです。

 で、実際に映画を観た後はと言うと、映画好きの個人的な知人たちからの評価で言えば、誰もが等しくさんざんでした。本編よりも、このトレイラーの方が断然いいと言っている人もいたぐらいです。

 確かに、そういう意見が分からないでもありません。だとしても、私としては、『トロン:レガシー』について、ちょっと違った視点から改めて語ってみたいことがあります。というのも、インテリアや家具好きの人からすると、この映画、結構見どころがあるのです。それに、そもそも未来的なデザインのプロダクトが好きな人だったら、トレイラーに映っていた流れるように疾走するモーターサイクル(「ライトサイクル」と呼ばれています)のデザインを目にした瞬間、心のときめきを止められないはずです。

 ということで次回は、このあたりのことを中心にしながら改めて映画『トロン:レガシー』へ注目してみたいと思います。

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